
2. 社会システムとしてのアクセシビリティ整備
2−1. 公共交通機関及び関連施設整備
高齢者や障害者が海洋性レクリエーション施設を利用するとき、最も障害となるのが交通手段とその乗降の容易さである。移動障害者が自宅や施設から徒歩・自転車・自動二輪車・自家用車・バス・電車等の交通手段を利用し、マリーナ及び海水浴場にアクセスする際、その安全性あるいは利便性の観点から、停留所並びに駐車場は海洋性レクリエーション施設の中核施設にできるだけ近いところに設置することが望ましい。
一方、自家用車や専用の送迎車を利用しマリーナ及び海水浴場にアクセスする移動障害者への配慮として、障害者専用駐車場及び障害者専用駐車スペースの確保が必要である。同時に、分かりやすいサイン計画が必要である。また、施設内の移動のアクセスビリティについても十分配慮する必要がある。特に、段差のある場所や上部階への移動に際しては、建築基準法等にアクセシビリティに記述があれば守らなければならない。同様に、自治体に条例・指針のある場合にはそれに準拠して設計・計画しなければならない。
《解説》
マリーナやビーチに付帯する一般の駐車場では、車いす使用者などにとって十分なスペースが確保されていないため、乗降の際に極めて困難な状況に陥る場合が多い。特に、マリーナにおいては、クラブハウス等のサービス施設へのアクセスを考えると、サービス施設の玄関に近い位置に、駐車場を設置することが望ましい。
移動障害者がマリーナ及びビーチに徒歩でアクセスしてくる場合、あるいは駐車場から徒歩でアクセスする際の配慮としては、まず安全性を確保し、あらゆる危険から回避できるようにすべきである。また、連続した植栽、縁石、段差、柵等で車道と歩道の区別、人と車の動線の区別をして、アクセス道路の安全性を確保をすべきである。
移動障害者にとっては、健常者が何とも思わないわずかな段差や傾斜が、その移動にともなって大きな障害、障壁となることがあるので十分配慮すべきである。また、そのデザインについても十分考慮すべきである。
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